ラブレスほえほえ!?その1

R.W.ラブレス。
曰く、ナイフの神様。
それまで鍛冶屋が鉄を熱して叩いてナイフを作っていたのを
鋼材の板をナイフの形に削り、別途に熱処理する作り方

「ストック&リムーバル法」を開発した。
理屈の上なら素人でもラブレスと同じ形に削り出せれば、
専門の業者が鋼材に応じた適切な熱処理を行うので、まったく同じ性能のナイフを作れる。
ナイフ製作の敷居は下がり、以降カスタムナイフメーカーが次々に出現した。

他にもラブレスの偉業は多々伝わっているのだが、ことナイフの作りに関しては
知識として知っていても、その凄さがよくわからないでいた。
ラブレスの作品は一本ウン十万円は下らない。実物を触るどころか見る機会すらない。
写真を見て「綺麗だねー、凄そうだねー(よくわからないけど)」で終わるわけで。
(自分が狩猟・戦闘・ナイフ作成を実践してないのも理解できない理由ではある)

ある日、米ベレッタ社のラブレス公認レプリカを手に入れた。2016-05-10 23.26.17
製作はカスタム以上と名高い日本のファクトリーメーカー、moki(モキ)。
最初は「レプリカ?おお!」ぐらいの気持ちだったが、実際に触ってみて愕然とした。
仕上げの美しさや細部にわたっての丁寧な作り込みもあるが2016-05-10 23.33.07
同じ形状の安物と比べて素人にも分かる違いが随所にあり、その違う点に
「このナイフを設計した人は何を考えてこうしたのか」をはっきりと認識させられた。
意図の明確な方向性、ひいては思想や哲学が感じられた。

レプリカであっても素人にも理解できた、その凄さを僅かだが書き残しておく。

●ホローグラインド
ブレード断面の形状の一つ。回転砥石を用い、内に削るので曲面を成形する。ホロー

アイデアは中世の頃からあったが、ラブレスが近代の鋼材で実践し完成させた。
ブレードの中~末端は他の形状と比べて薄く

それゆえ叩きつける・捻る使い方や、横からの過度の加圧こそ厳禁だが
通常の切る行為(特に肉)においては必要十分以上の強度を持っている。
またエッジ部が薄いので、研げば常に鋭い切れ味を保つことができる。

例えばベストセラーBUCK#110もホローグラインドだ。2016-05-13 00.24.302016-05-13 00.25.55
が、ラブレスのそれはもっと極端でブレードバックは親指を楽々乗せれるほど広く、
押しても指腹が痛くならないので安心して力を加えられる。2016-05-10 23.30.07
それでいて刃先は驚くほど薄く、カミソリのような刃が付いている。
切れ味と信頼感の相乗効果により、
実際に触り使うとタマらなくなる

●フルテーパードタング
ナイフの重量バランスを調整するため、ヒルトの部分から後方に向かって
タングの両側面を対称に薄く加工したタングです。ラブレス氏の考案した型

(ジャパンナイフギルドHPより)2016-05-10 23.32.16ハンドルの真ん中を走る金属部分がタング。
人差し指のあるヒルト側よりハンドルエンド側のタングが薄くなっているでしょ?
ハンドルエンドまで同じ厚みのフルタングと比べ、頑丈さでは劣るが
(劣ると言ってもハンドルをハンマー代わりにするとか異常な使い方での話)
削っている分の重さは軽くなるし、バランスが良くなり取り回しやすい。

取り回しに関しては感覚的なものなので説明が難しいが
同じ重さのフルタングと比べて重さに振り回されない。
刃先をコントロールしやすいのだ。

(続く)

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